随想録 2001年7月


7月16日 家なき娘(En Famille)

以前、絶版と復刊というタイトルで随想録(2000年11月)を綴ったことがあるが、そのとき、エクトロ・マロの『家なき娘(En Famille)』が手に入らないと書いた。しかし、つい先日、手に入ったのだ。というのも、随想録でも紹介した、「復刊ドットコム」というサイトで、100票以上、票が集まり、復刊の交渉がされたところ、すぐに重版が決定したということであった。もちろん、すぐさま申し込んだのは言うまでもない。

さて、この作品は、世界名作劇場シリーズで知られるアニメーションの一つ、『ペリーヌ物語』の原作である。当時私は、小学校の低学年であった。内容を簡単に触れると、父親を亡くした娘ペリーヌが、母と一緒にパリに住む祖父のところまで旅をする。しかし、その途中で母親は病気にかかり、パリに入るところで病死してしまう。苦難と試練の連続だが、それを乗り越え、最後には祖父のもとで幸せになるという話である。概要としては、これだけであるが、12、3歳の少女が如何にして機転を利かせ、努力をし、最低の生活から、幸福を掴み取るのかを実に生き生きと描かれているのだ。この本は旧仮名遣いでかかれており、少々読みにくいのだが、そんなことは関係なしによい作品である。興味がある方はぜひ読まれることをお薦めする。

私がこの作品を特に今回挙げたのには、意味がある。そう、今日、2001年7月16日はわが娘が誕生した日なのだ。ペリーヌのように立派な娘になることを願う。

家なき娘 上―アンファミーユ岩波文庫 赤 576-1

家なき娘 下―アンファミーユ岩波文庫 赤 576-2



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