随想録 2001年5月


5月26日 嗚呼、ADSL

3月上旬に申し込んだNTTのフレッツADSLが、5月になってやっと取り付けられることになった。最近はADSLの申込者数が急激に増えているらしい。まあ、月々数千円で高速なネットワーク回線が常時接続で使用できるのだから、当然かもしれない。

私は自宅内のブリッジとスプリッタの設置を自分で行ったので、NTTから人が派遣されることはなかった。必要な機器は郵送されてくる。それと一緒に設置方法が書かれている説明書が付属してくるので、自分で設置するのは至って簡単だ。わざわざ高い設置工事費用を払うのはもったいないし、人が来るのも面倒なので、これから始める人もできるだけ自分で行うことをお薦めする。

ところで、私はADSLが問題なく動作することを確認してからADSL用のルータなどは購入しようと決めていたので、まずはルータを設置せずに、自宅のコンピュータにPPPoE接続ソフトをインストールして繋げてみた。因みに、この作業をする前に、ADSLで常時接続をするためにプロバイダにはあらかじめ申し込んでおく必要がある。

すべて準備がそろったところで、ADSLの回線変更の電話待ちである。これは、NTT側でしかできないためそれを待つ必要があるのだ。しばらくしてから連絡があり、今から工事をするとのこと。10分ほどで繋ぐことが出来るようになった。

早速、ADSLが接続できるか試してみたところ、一発で繋がった。速い。今までのアナログ回線でのダイアルアップ接続とは雲泥の差である。こうして無事、繋げることに成功したのである。

後日、ADSL常時接続用にルータを購入した。ノートPCを使って、どの部屋からでも繋げるように、無線ルータにした。PCカードを含めて4万円を超えてしまったが、使い勝手は非常によい。最初の設定は、ある程度知識がないと面倒かもしれないが、それでも説明書どおりに設定をすれば、取り合えず繋ぐことはできるだろう。

こうして、我が家はどこにいても高速なネットワークが常に接続されているようになった。ノートPCとデスクトップで両方とも同時にネットワークに接続されているのは大変便利だ。PCを起動すれば既にそこはネットワークの中なのだ。素晴らしいことである。

5月11日 ヒトゲノム

少し前の話になるが、英国の科学誌Natureの無料サンプルをもらった。この無料サンプルは特別な発見や日本の科学者が深く関わった結果などが載った時に、希望者に送ってくれるものである。

今回は、ヒトゲノムが初めて解明されたことで、それについて扱った論文をヒトゲノム特別号として頂いたわけである。で、実際にその論文"Initial sequencing and analysis of the human genome"を読んでみた。これはやはり凄い論文である。

まずは、著者の人数からして違う。普通は数人、多くて十数人といったところだが、今回は1ページ全部が著者で埋まっている。ヒトゲノムの解析には多くの国々のたくさんの研究機関が関わっているのだ。因みに、私が勤務している理化学研究所・ゲノム科学総合研究センター(Genomic Sciences Center)も名を連ねている。そして、Natureに載る普通の論文に比べて分量が多い。総説並みである。それだけ内容があるのである。まあ、人間の全遺伝子情報を解明した論文である。そのぐらいの分量があっても驚くに当たらない。

ヒトゲノム計画については、私が学生の頃からなされていたものであり、その当時から、将来的には人間の遺伝情報がすべて解明されるだろうと言われてきた。そして、壮大で凄いことだと感じていたのだが、その集大成がこの論文に詰められているのである。なんて素敵なことだろう。

今後は、ポストゲノムの時代と言われている。つまり、そのゲノム情報をもとにして、生体タンパク質などの構造や機能の解明に焦点が移されてくるのである。私の行っている研究はまさにこの部分であり、大変にやる気も出てくるというものだ。



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