随想録 2001年1月


1月28日 雪

私は首都圏に住んでいるが、数年ぶりにまとまった大雪が降った。この雪で、数百人の負傷者が出たようだ。首都圏に住む人たちは雪に不慣れなのである。

ところで、私は雪が降るとワクワクする。子供の頃からそうだ。雪に対して、苦労していないからであろう。雪国で育った知り合いに聞くと、雪を見ただけで気分が鬱になるそうだ。雪を見て喜ぶ人たちが信じられないという。

確かに生まれ育った場所によって感じ方は随分と違うだろう。ずっと首都圏に住んでいる私は、雪に対して雪だるまや雪合戦などのような楽しいイメージを持っている。それ以上に、雪の持っている美しさに惹かれている。それは、雪の白さが綺麗だというだけではなく、何よりも、雪の結晶の神秘性に感嘆の念の覚えるのである。

雪の降った次の日、日中の気温は摂氏10度ほどに上がった。屋根に積もった雪が溶けて地面に落ち、その地響きの大きさに驚いた。今度の雪はこれで終わり。首都圏の雪の寿命は短いのである。

1月23日 メーリングリスト、ネットニュース、そして電子掲示板

インターネットは情報の宝庫であるが、皆さんはどのように目的の情報を手に入れているのだろうか。ウェブでの検索? お気に入りのポータルサイトから辿る? 私もそれらについては良く使う。しかし、情報の即時性という点では、メーリングリスト、ネットニュース、電子掲示板の3つを外すことはできないだろう。

では一体、ここで挙げたメーリングリスト、ネットニュース、電子掲示板は、何が便利で、何が魅力なのだろうか。

まず、メーリングリスト(Mailing List, ML)であるが、これはメールを使って大勢の人たちとコミュニケーションを取れるようにしたシステムのことである。そして、様々なテーマごとにメーリングリストが作られていて、自分の興味がある分野に参加することで、いろいろな情報を得たり、自分が知っている情報を提供したりすることができる。

メーリングリストは非常にたくさん存在する。私も3〜4つのメーリングリストに参加しているが、その中でもvcppMLと呼ばれるVisual C++をメインに扱ったプログラミング関係のメーリングリストがお気に入りである。ここには、高いプログラミング技術を持った人がたくさんいる。また、プロフェッショナルな人たちもかなり参加しており、礼儀正しく振る舞える「大人」が多いようだ。他には、私自身、メーリングリストを作っている。FreeMLなどを使えば誰でも簡単に作ることができるのだ。

次に、ネットニュース(NetNews)だが、これもたくさんのテーマが作られていて、その分野に秀でた人たちが活発に議論している。このネットニュースの歴史は古く、USENETの時代まで遡ることになる。ここではあまり深くは説明しないが、簡単に言えばインターネットの歴史と共に発展してきたと考えてもらえればいいだろう。それもあって、ここには、古くからインターネットに関わってきた人たちが多い。そのため、ネチケットなどには厳しいが、かなり深い知識を得ることができるだろう。

最後に、電子掲示板(Bulletin Board System, BBS)だが、これは駅などにある伝言板のように、誰でも自由に情報を書き込み、それを読めるようにしたものである。まあ、大きな意味で捉えればメーリングリストやネットニュースもある種の電子掲示板と考えることもできるが、コミュニティにおける思想の違いや、メール配送やニュース配信などのシステムを使わないこともあり、電子掲示板の方がより匿名性は高い。もともと、商用VANや草の根BBSなどで活発に使われてきたのだが、それがインターネットの発展と共に、舞台をウェブサイトに移してきた。現在では、非常にたくさんのウェブサイトが電子掲示板を持っている(当サイトにもプログラミングに関する話題を扱った電子掲示板がある)。大手でいえば2ちゃんねるYahoo!掲示板などが有名であろう。電子掲示板には多くの種類があるので一概に決めてしまうことはできないが、匿名性が高く、人がたくさん集まる掲示板の多くでは、膨大な書き込みがあり有用な情報も多い。しかし、くだらない書き込みも多い。匿名で投稿できることもあって、ネチケットが理解できない「子供」が多いのである。ここでは、自分で情報を選別できる目を養うことが重要になる。

まあ、ざっと書いてみたが、思ったより長文になってしまった。本当に簡単にしか述べていないのだが…。とにかく、これらを利用することで、インターネット上における情報収集能力の深みが増すことは間違いないだろう。

1月10日 忙しさの功罪

最近、非常に忙しい。新世紀になって立て続けに学会発表やら研究のプレゼンテーションやらの予定が入って大変だ。

ところで、忙しさにはいくつか種類があると思う。本人に役立つ充実した忙しさ、本人には意味のない空しい忙しさ、自発的に行う積極的な忙しさ、人から言われて行う消極的な忙しさ、頭を使う忙しさ、機械的な忙しさ、などなど。そして、本当に忙しい場合もあれば、忙しいふりをしているだけの場合もある。

私については、今は本当に忙しく、どちらかと言えば頭を使う充実した忙しさだろう。しかし、充実しているとは言っても、それには体力が必要で、無理をすれば体を壊してしまう。実際に私も風邪を引いてしまった。何事も無理は禁物である。

さて、ほかにも忙しさと暇の相関や忙しさにおける相対的時間の推移など、いろいろと述べることはあったのだが、忙しいのでこの辺にしておく。

1月1日 謹賀新世紀

21世紀、最初の日である。A Happy New Century!

ところで、新世紀に入って早々、コンピュータウイルス除去ソフトであるNorton AntiVirusをインストールした。まあ、なにもこんな時期に入れなくてもと思うのだが、被害にはいつ遭うかわからないのだから、節目のこの時期に入れるのも良いだろう。

実は、仕事場では、既にインストールしてあるのだが、幸いにしてまだ一度もウイルスに出会ったことはない。私もそれだけ用心しているのだ。例えば、メールで送られてきた実行ファイルはまず実行しないし、MS-Wordなどの文書ファイルも直接開かずに、バイナリエディタなどで中身を読む。また、信頼しているサイト以外からは、できるだけファイルのダウンロードはしない。このような努力があってウイルスの被害を免れてきたのだろう。

ところが、自宅ではそうもいかない。それは、PCを使用しているのが自分ひとりではないからだ。家族も同じPCを使用しているのだ。いくら自分が気をつけていても、ほかの人がウイルスを持ってきたら、それは防げない。そこで、ウイルス除去ソフトの導入を前々から考えていたわけだ。取り合えず、インストール時にはウイルスに感染していないようだった。

これから始まる21世紀、ますますコンピュータと深く関わっていくのだろうから、サイバーワールドで自分の身を守るちょっとした努力は欠かせない。この日記を読まれている皆さんも、お気をつけあれ。それでは、今世紀もどうぞよろしくお願い申し上げます。



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