随想録 2000年11月


11月27日 絶版と復刊

最近、手に入れたい書籍があり、ネットワーク上で情報を得ようと調べたところ、既に絶版であった。思った以上に、絶版になっている書籍は多いようだ。

ところで、ほとんどの方が『ダルタニャン物語』という作品のタイトルは聞いたことがあるだろう。『三銃士』の作者として有名なアレクサンドル・デュマの三部作である。邦訳では、講談社文庫から全11巻として出ていた。三銃士の物語はそのうちの初めの2巻、少し前に映画『仮面の男』でも有名になった鉄仮面にまつわる物語は最後の2巻の部分に当たる。で、この名作『ダルタニャン物語』も実は絶版なのである。

このように、名作と思われる書籍でも絶版になっているものがいくつもある。残念なことである。しかし、「残念」だけで終わらせないようにするための「復刊ドットコム」というサイトがあるのをご存知だろうか。このサイトでは、既に絶版になった書籍に対して復刊希望者を集め、100票以上になったら出版社に復刊を交渉しに行くというサイトだ。現時点で既に復刊が決定した書籍が7冊、交渉中の書籍が52冊ある。このような企画はなかなか嬉しい。

このように、ペーパーレスのネットワークの力を借りて、紙でできた書籍が復刊されるのはなかなか愉快だと思う。

ところで、最初に述べた、手に入れたい書籍とは『家なき娘(En Famille)』というエクトロ・マロの作品である。タイトルからすぐに連想できるように『家なき子(Sans Famille)』の作者でもある。1941年に岩波文庫から出版され、以後、第二版が1983年、第三版が2000年に出たらしい。2000年に出た第三版ですら既に手に入らないありさまだ。どなたか情報があれば教えて頂けるとありがたい。

11月16日 光学式マウス

自宅で使用していたマウスが、調子が悪くなってきたので、新しく買うことにした。そして、どうせ買うならと、光学式マウスを買った。マイクロソフトのホイール付きのやつである。マイクロソフトはアプリケーションなどではいろいろと言われているが、マウスのようなデバイスに関しては、価格面を除けば評判はまあまあだ。

普通のマウスは、ボールに埃や塵が付着して、時々掃除をしなくてはならない。特に、長い間使っていたマウスは、滑りをよくするための「足」が汚れて、ごみが溜まりやすくなる。一方、光学式マウスは、ボールを使わずに光学式センサーと赤色LEDにより、マウスの動きを感知するので、掃除は不要である。しかも、光を感知できるものであればどこでも使うことができ、例えばズボンの上からでも使うことができる。

こう聞くといいこと尽くめのようなのだが、実際使ってみると、光沢のあるマウスパッドの上などで、黄色に近い色のところを滑らせると、たまに、マウスポインタが移動方向と逆に動くことがある。また、非常に高速にマウスを動かした場合、センサーがそれについてこれないようでもある。

まあ、どの製品にも長所と欠点があるわけで、暗闇で赤く光る光学式マウスは、とってもサイバーな感じでそれなりに気に入ってる。

11月2日 姓と名の間には

最近、めっきりと冷え込んできた。霜月に入っては、寒くなるのも無理はないかな。寒くなれば、暖かい家でゆっくりとインターネットでもといった機会が増えるかもしれない。

インターネットと言えば、やはり欠かせないのが電子メールである。そして、電子メールには多くの場合、署名が付けられることだろう。私は以下のような署名を用いている。

-- 
□┐ 二木 紀行 <d2VibWFzdGVyQGZ1dGF0c3VnaS5uZXQ=>
└┘ http://www.futatsugi.net/

私の場合、メールアカウントを複数持っているので、メールアドレスの部分については、受信者によって変更している。

で、ここで私が気にするのが、姓と名の間に空白を入れるかどうかである。上の署名では、空白を入れているが、実は私は空白を入れない方が好みである。文章中に出てくる名前に空白を入れるなど以ての外だし、姓名が単独で出てくる場合でも空白を入れない方がすっきりした感じがする。

では何故、署名では空白を入れているのか。それは姓と名のバランスの問題である。私の名字『二木』と名前『紀行』では、『二木』のほうが軽いのである。しかも姓と名を繋げると『木』と『紀』が隣り合うことになり、糸偏と並んで妙に窮屈に感じるのである。そこで、空白を入れるわけだが、実はこれだとすこし間が開き過ぎだとも思っている。もう少し狭めることができれば良いのだけど…。

   二木紀行

『木』と『紀』の間がなんだか窮屈?

   二木 紀行

ちょっと開きすぎ…かな?

決して、『二木』という名字にも、『紀行』という名前にも不満があるわけではないし、手書きであれば特に問題はないのだが、繋げて書いてもバランスの良い電子メールの署名にちょっとした憧れを持っているのも否めない。…以上、他人にはどうでも良いお話でした。



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